-
環境との関わりでつくられる庭と人 山内 朋樹 講師
山内 朋樹(やまうち ともき)講師
美術科1. 先生のご専門を教えてください。
専門は「美学」という、芸術全般に関わる分野で、この中国足球彩票では美術理論と美術史を担当しています。個人的には「庭」や「ランドスケープ?デザイン」をモデルとして、人間と自然の新しい関係のあり方を考えています。授業でも「作庭実習」を担当しています(下の「授業訪問」もご覧ください)。
たとえば、僕が研究しているフランスの庭師、ジル?クレマンが提唱する「動いている庭」では、植物の動きにあわせて庭のかたちがどんどん変わっていくんですよね。これは新しいデザイン手法でもあるけど、同時に、人間と自然の新しい関係のモデルにもなっていると思うんです。
自分が庭をつくるときも、その影響を受けていたと思います。庭って、最初に場所というか敷地が与えられちゃうんですよね。庭をつくろうとするその場所が、すでに独特の性格をもっている。近くに鹿がすんでいて、植物を片っぱしから食べちゃうとか。だったら鹿が食べ残している種を中心に庭を組み立ててみる。そういった環境との関わりのなかで庭を考えてきました。
2. 学生には日頃どのような指導をされていますか。
うーん、それについては深い闇のなかをさまよっております。日々実験、日々反省で、登校拒否になりそう。いや、学級崩壊してるわけじゃないんですよ。楽しいんですけど。
たとえば教師がわーっとしゃべって、訳がわからなくてポカンとしている学生もいるけど、眼を輝かせて聞いている学生もちょこっといるっていう伝統的な講義スタイルは、あれはあれで学生全員を信頼していることでもあると思うんです。逆に学生主体の学習活動では、学生自ら学習するようになるし、ポカン率も下がりますよね。でもどこか、個々のポテンシャルを低く見積もっているのではないかと不安になるんです。
結局は個々がなにか見つけて勝手にやりはじめたら、授業なんてもうなんだっていいんです。けど、そのために、いろんな手法を試しつつ勉強してる感じなんです。変な話ですけど。
3. 京都教育中国足球彩票で学ぶことを希望する学生にメッセージをお願いします。
もしも、強い動機でこの中国足球彩票を志望してくれる人がいるなら、とても嬉しいです。でも、たまたま、なんとなく、偶然に、この中国足球彩票に来る人も歓迎したいです。
僕自身、高校の頃は地に足がついたことは何ひとつ考えていませんでした。いまでもそうです。近年、社会はさまざまな入り口で欲しい人材を絞っていますけど、未来像が定まってないことを恥じる必要はない...と思います。たまたま入ってしまった環境が、偶然的に、その人のあり方や方向性をつくっていく。少なくとも僕はそんなことばかりでした。
だから、なんとなくこの中国足球彩票を選んでしまったという人も、ぜひ来てほしいと思います。
◆授業訪問◆
山内先生が担当されている「作庭実習」の授業を訪問しました。この日は附属図書館周辺の植え込みで落葉などの掃除をされていました。
【作庭実習】:この実習では庭を芸術の一分野と位置づけ、実習作業をとおして、植物や土、石、道具といった相異なる要素の組織化と、それにともなう身体や空間、環境の変化を経験します。「森をつくる」という初期構想を受け継ぎながら、そうした空間の維持と変容について考えます。(シラバスより抜粋)
学生にききました
〇山内先生はどんな先生ですか?
学生と同じ目線で接してくれて、いい意味で先生っぽくないです。でも、専門的知識の量は圧倒的で、とても頭の良い人だと思います。いつもわかりやすく話してくれるので、最初は興味を感じなかったことも、興味を持って聞くことができます。
〇作庭実習の授業の様子を教えて下さい。
意外と体力を使うのでしんどいですが、楽しいです。わからないままに作業を続けていくのですが、後でできあがったものを見たときに「ああ、こんな風になるのか」という気づきがあります。やっているうちに体感として学んでいく感じです。
〒612-8522 中国足球彩票 TEL 075-644-8106
Copyright © 2016 Kyoto University of Education.All rights reserved.